- 2009-02-17 (火) 8:50
- books

面白法人カヤックさんが出された本です。既に去年から書店に並んでいますが、カヤックさんに献本していただいておりまして、感想を書くのが遅くなってしまいましてスイマセン。
啓蒙的な本の紹介ブログを書いて読み返すと、僕自身がすごい格好いい文章を書いている錯覚に陥るけれど、本人は依然としてダメな感じなんですが。
なぜみんなで作れるか
カヤックさんのサービスは、いつもプロジェクトごとに数人が協力してコンテンツを制作されています。カヤックさんで働いているスタッフさんを何人か知っているのですが、ひとりひとりがハイレベルなスキルをお持ちで、「ひとりでもポンポンとサービスを作りだせる人達」の集団のように思います。
そういう「自分の考えた・イメージしたとおりのものを自分一人で全部作れるスキル」をもし僕も持っていたら、たぶん家に引きこもって一人で作り続けるでしょうし、難しいプログラミングに四苦八苦しながらも勉強しているのは、アイデアから実装まで自分だけで完結できれば、誰にも頼らなくていいし、口出しもされずに、考えた通りのコンテンツが作れるという自閉的で自己中心的だけど、実はそういうスタイルに憧れがあるからです。
本書にゲストとしてインタビューされているクリエイターさんの中にも、一人でもくもくと自己判断で(ユーザーの反応は考慮するという意味で)コンテンツを作り上げる事例が紹介されていますし、その楽しさや、一人(少人数)によるアジャイル(スピーディー)開発のメリットも記事から伝わってきます。
ブレスト
では何故カヤックの人は仲良くチーム一丸となって制作できるのか?その秘密が本書には書かれているように思います。カヤックさんといえばサイコロ給をはじめとする楽しい会社制度とかオフィスがカッコイイとか海外支社という名の海外旅行があるとか、そういう楽しげな側面がよく聞かれますが、この本ではもっと生々しい“体系化されたブレスト(ブレインストーミング)の方法”が紹介されています。雑談ベースでワイワイやってらっしゃるのかと思いきや、ユルい雑談で終わってしまわないようにブレスト手法が体系化されています。気になったら本書をどうぞ。
で、そのブレスト手法のおかげで、ブレスト参加者各自が主体的に意見を交わせる。この「主体的参加感」のおかげで、たとえ別の人が発案したアイデアでも”みんなで作るプロジェクト”感が出て一丸となれる。当然それは理想だし耳障りもいいことなのだけれど、本書にはその実践方法が体系的に書かれているところが珍しいなと思いました。
打席数
これも本書の特徴的なことなのですが、カヤックさんが手がけて、ヒットしなかったコンテンツの事例も紹介されています。ヒットしたコンテンツもヒットしなかったコンテンツも同じようにみんなでブレストされ、企画書になり、制作されているようなので、決して思い入れが薄かったというわけではないでしょう。だからこそヒットしなかった場合でも、それをアウトプットの1個として大事に扱い、公開後きちんと分析し、あらたな展開を考え続けるという姿勢が書かれています。
スタッフの皆さんが、ヒットするかしないかは時の運も絡むことを経験則として体感されているし、だからこそ打席数(アウトプットの総数)の大事さを知っている。そのためにはみんな各自の長所を活かして一丸となって作りまくるほうが効率的だということが実感できる。
対して、一人でノートにアイデアだけ書いて「これは当たるぞー!」と想像だけしてなかなか作れない人もいる。比べてみるとやはりこれでは勝負にならない感じがする。
いつものように
本で紹介されている人は業界のトップランナーな人達なので、読了後は「結局は作るスキルだよなぁ」という通り一辺倒な凹み方をします。
Web 業界は、あんまり学歴とか年功序列とか先輩のシゴキとかは少ないので、その「ヌルい」感がヌルい僕には魅力的だったからこの道を選んだような記憶がありますが、作れない人はどうしようもないという圧倒的にシビアな壁にぶつかります。
- 自分で作れるスキル
- 他人に作ってもらうための財力
- 一緒にに作ってもらうためのコミュニケーション力(扇動力)
どれかがないと、あるいは向上させていかないといずれにっちもさっちもいかなくなる。僕は消去法で1しか残らないので1を選んだけど、もうついていけてないので抜け道見つけないと危ない。ブログのアクセス数だけは一人前というのが惨めだけれど、必死に生き残るためなら活用してやろうかとも思うけど、微額なアフィリエイトを貼るぐらいしか思いつかない。
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Comments:2
- すがぽん 09-02-18 (水) 9:36
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一発あてたい訳ではないのですが、気になってたタイトルなのでレビューありがとうございます。
問題は値段ですが、このへんのコストパフォーマンスはいかがでしょう? - tera 09-02-18 (水) 9:56
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すがぽん様
コメントありがとうございます。スキル習得本のように何度も見る類の本ではないので、2520円はたしかにちとお高めですよね。僕は最近はこういう自己啓発系の本は本棚が狭いので買わないようにしているのですが、書店で平積みされているビジネスマン啓発本よりは、当然開発者寄り、それも少人数で切り開くウェブドリーム的な啓発なので、テンションは上がります。いや、あるいは自力でサービスを作れないロースキルな自分に毎度へこむこと請け合いです。
さりげなく会社に置いておいて、会社のみんなの団結力(ブレスト効率)向上を狙うとかアリかもしれません。
やはり軽く立ち読みしてみてご判断いただくのが一番かと。。すいません。
